
Sakana AI、AIチャット「Sakana Chat」と日本特化型LLM「Namazu(α版)」を公開
公開日:
Sakana AIは、海外で開発された高性能なAI基盤モデルを、日本の文化や価値観に合わせて調整する事後学習技術を開発しました。同技術を適用した試作モデルシリーズ「Namazu」(α版)と、それを搭載したチャットサービス「Sakana Chat」を公開します。海外モデルに内在するバイアスを是正し、日本での安全で公平な利用を目指す取り組みです。
ポイント
- 1海外の高性能モデルを、日本の文脈に合わせて調整する独自技術を開発
- 2政治・歴史トピックでも回答拒否を減らし、中立性と正確性を向上
- 3調整済みモデルを搭載した無料チャットサービス「Sakana Chat」を一般公開
海外モデルの課題を技術で解決
大規模言語モデル(LLM)の開発は、莫大なコストがかかるため、米国や中国の限られた企業に集中しつつあります。一方で、それら企業が開発した高性能なモデルはオープンソースとして公開されるケースも増えています。Sakana AIは、こうした「既存の高性能モデル」を有効活用する方針を打ち出しました。
同社が開発したのは、公開済みのモデルに追加学習を施す「事後学習(Post-Training)」技術です。この技術を用いて、海外モデルに反映されがちな開発元地域のイデオロギーや情報統制の傾向を是正します。日本のユーザーが求める安全性や、文化的・社会的な文脈に適した振る舞いを実現するのが目的です。
「Namazu」シリーズで性能と中立性を両立
事後学習技術の実証第一弾として開発されたのが「Namazu」モデルシリーズです。DeepSeekやLlamaなど、開発時点で高性能な複数のオープンソースモデルを基盤としています。
評価では、推論や知識を測る主要ベンチマークで、基盤モデルと同等の性能を維持していることを確認しました。同時に、日本と他国に関連する政治・歴史テーマについて、回答の「中立性」と事実の「正確性」を独自に評価しました。その結果、Namazuモデルは両方の観点で基盤モデルから顕著な改善を達成しています。
例えば、基盤モデルの一つであるDeepSeek-V3.1-Terminusは、政治的にデリケートな話題の72%に対して回答を拒否しました。一方、事後学習を施したNamazu版では、回答拒否はほぼ0%にまで改善されました。モデル本来の高い能力を損なわずに、客観的な事実に基づいた応答を実現できることを示しています。
誰でも試せる「Sakana Chat」を公開
開発した技術を広く社会に届けるため、Namazuモデル(α版)を搭載したチャットサービス「Sakana Chat」を無料公開しました。サービスには最新情報を検索して回答に統合するWeb検索機能も備えています。公開前には約1,000名のユーザーによるβテストを実施し、得られたフィードバックを改善に反映しています。
Sakana AIは、複数モデルの最適な制御技術やエージェント技術の統合にも開発を進め、チャットサービス以外の多角的なAIソリューション提供を目指すとしています。
Sakana Chat 公式サービスサイト:https://chat.sakana.ai/
Q&A
Q. 「事後学習」とは何ですか?
A. 既に公開されているAIモデルに追加のデータで学習させ、特定の用途や地域の要件に合わせて振る舞いを調整する技術です。
Q. 普通のAIチャットとSakana Chatは何が違う?
A. 海外で開発されたモデルを、日本の文化的文脈や安全性の観点から調整している点が特徴です。政治的な話題でも回答を避けにくくなっています。
Q. この技術は誰に向いていますか?
A. 海外製のAIモデルを業務で利用したいが、文化的なバイアスや情報の偏りが心配な日本企業や開発者に向いています。

O!Productニュース編集部からのコメント
海外モデルの回答拒否率を72%からほぼ0%に下げた点が技術の核心です。国際的な話題を扱う企業の調査業務で、AIの利用幅が広がりそうですね。
引用元:Sakana AI
この記事の著者
O!Productニュース編集部
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