
“思考”をAIで継承、博報堂テクノロジーズがAIクローンサービス「Clonatica」提供開始
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博報堂テクノロジーズは、生成AIを活用し、人の「思考」そのものを再現するAIクローンサービス「Clonatica(クロナティカ)」の提供を開始しました。専門家が持つ判断基準や暗黙知をAIに継承させることで、高度な業務の効率化や、ベテランからの技術継承といった企業の課題解決を目指します。
ポイント
- 1専門家の「思考」や判断基準をコピーするAIクローン
- 2約2時間のインタビューで、個人の思考パターンをAI化
- 3業務効率化や技術継承、意思決定の高速化に貢献
ベテランの“頭脳”を組織の資産に
博報堂テクノロジーズが新たに提供を始めた「Clonatica」は、単なる作業の自動化にとどまらず、専門家や経営者が持つ思考パターンや判断基準、さらには言葉にしにくい「暗黙知」までをAIとして再現するサービスです。これまでのAIクローンが外見や音声の再現に注力していたのに対し、同サービスは人の内面、つまり「思考」をクローン化する点に大きな特徴があります。
開発の背景には、多くの企業が直面する課題があります。ベテラン社員の退職によって貴重なノウハウが失われたり、属人化した高度な業務の引き継ぎがうまくいかなかったりする問題は、企業の競争力を揺るがしかねません。同サービスは、こうした失われがちな個人の知見を、組織全体で活用できる資産へと変えることを狙いとしています。
「Clonatica」の作成プロセスは、対象者への約2時間のインタビューから始まります。この対話を通じて、その人の価値観や話し方、思考のクセなどをAIが学習し、モデルを構築。これにより、例えばSlackなどの社内ツール上で、まるでその専門家本人に相談しているかのような対話が可能になります。
同社の試算によれば、このAIクローンとの協働により、専門家の作業時間を約50%短縮できるほか、新人教育などの効率を約30%向上させ、経営判断のスピードを約3倍に高める効果が見込めるということです。博報堂テクノロジーズは今後、経営層の意思決定支援や製造業の技術継承分野での展開を進め、将来的にはコールセンター業務などへの応用も目指していく方針です。
引用元:PR TIMES

O!Productニュース編集部からのコメント
2時間のインタビューで思考モデルを構築できるという手軽さは、実用フェーズへのハードルを大きく下げそうです。経営層の意思決定支援から新人教育まで、幅広い展開が期待されます。