すべて
タグ
熟練者の「暗黙知」をAIで継承、ヴェルトが「コーザルAIアシスタント」を発表
アップデート
AI関連

熟練者の「暗黙知」をAIで継承、ヴェルトが「コーザルAIアシスタント」を発表

公開日:

株式会社ヴェルトが、高度な専門家の知識やノウハウを組織内でデジタル資産として活用する新機能「コーザルAIアシスタント」を発表しました。生産年齢人口の減少で深刻化する技能継承の問題に対し、一般的な生成AIの弱点を補い、「なぜそうなるのか」という因果関係をモデル化するアプローチで、企業の知的業務を支援します。

この記事をシェア

ポイント

  • 1
    熟練者の思考プロセスを「因果関係」としてモデル化し、"デジタルな熟練者"を組織内に構築
  • 2
    確率で回答する生成AIの弱点を補完し、再現性と説明可能性のある結論を導き出す
  • 3
    複数のAIエージェントが自律的に連携し、人間のフィードバックを得ながらモデルを進化させる

株式会社ヴェルトは、同社が提供するコーザルAIプラットフォーム「xCausal™」の新機能として「コーザルAIアシスタント」を発表しました。この機能は、専門家や熟練者が持つ暗黙知を「原因と結果」のつながり、すなわち因果関係としてモデル化し、組織内で誰もが活用できるようにするものです。これにより、現場の担当者はまるで熟練者に直接質問するかのように、再現性と説明性のある回答を得ることが可能になります。

この開発の背景には、日本の労働力不足と技能継承という深刻な課題があります。総務省の調査では2050年に生産年齢人口が約3割減少すると予測されており、熟練者の退職によるノウハウの流出が企業の競争力を脅かしています。近年注目される生成AIも、確率に基づいて回答するため「わかったふり」をして誤った情報を出力する弱点が指摘されており、専門的な業務での活用には限界がありました。

「コーザルAIアシスタント」は、こうした課題を解決するために設計されています。複数のAIエージェントが連携し、文献や業務資料から因果関係を自動で抽出。さらにデータから未知の関係性を発見し、管理者のフィードバックを受けながらモデルの精度を継続的に高めていく「Human in the Loop」という仕組みを取り入れています。専門家の思考プロセスをデジタル上に再現することで、属人化していたノウハウを組織全体の資産に変えることを目指します。

ヴェルトによると、この機能の導入により、退職などに左右されないノウハウの継承や、意思決定の根拠を明確にする効果が期待できるとのことです。また、生成AIが得意とする汎用的な知識の活用と組み合わせることで、事業企画や問題解決といった知的業務全体の高度化・効率化に貢献するとしています。「コーザルAIアシスタント機能」は2026年1月から順次提供が開始され、導入を支援するプロフェッショナルサービスは即日利用可能となっています。

引用元:PR TIMES

O!Productニュース編集部

O!Productニュース編集部からのコメント

生成AIの普及で誰もがAIを使う時代になりましたが、その回答の信頼性に悩む場面も増えています。「なぜ?」に答えられる因果AIは、特に専門性が高い現場での意思決定を支える強力なツールになりそうです。今後の活用事例に注目したいですね。

この記事をシェア

関連ニュース

ナレッジ共有ツールのプロダクト

AIエージェントのプロダクト

この記事を読んだ人はこんなタグにも興味があります

この記事をシェア