
AIが設計書の"抜け漏れ"を指摘、バルテスの解析ツール「QuintSpect」登場
公開日:
ソフトウェアの品質向上支援を手がけるバルテス株式会社は、ドキュメントの品質をAIが自動で解析し、改善提案まで行う新ツール「QuintSpect(クインスペクト)」の提供を開始したと発表しました。システム開発の初期段階で発生しがちな設計書の不備を未然に防ぎ、開発プロジェクトの手戻りやコスト増大を防ぐことを目指します。
ポイント
- 15つの独自視点(正確性・信頼性など)でドキュメント品質を多角的にスコアリング
- 2複数の資料を横断し、内容の矛盾や不整合をAIが自動で検知
- 3設計書だけでなく、提案書など幅広いビジネス文書のレビュー業務を効率化
AIでレビュー業務を効率化、開発の手戻りを防ぐ
バルテスが提供を開始した「QuintSpect」は、同社がソフトウェアテスト事業で培ってきたノウハウとAI技術を融合させた、ドキュメント解析ツールです。WebブラウザからExcelやPDFファイルをアップロードするだけで、「正確性」「理解性」「視覚性」「深層性」「信頼性」という5つの観点から内容を分析。品質をレーダーチャートで可視化し、改善点を具体的に指摘します。
システム開発の世界では、要件定義書や設計書といった上流工程のドキュメントにミスがあると、後の工程でプログラムの修正などに膨大なコストがかかることが課題とされてきました。情報処理推進機構(IPA)の報告書によれば、欠陥の修正コストは後工程になるほど増大し、テスト工程では数十倍にも膨れ上がるとされています。
「QuintSpect」は、こうした課題解決を目指すものです。主な機能として、ドキュメントの不備を指摘する「通常分析」に加え、複数のドキュメント間で記載内容の矛盾を自動で検出する「矛盾検知」機能も搭載。これにより、これまで専門家の目視に頼っていたレビュー業務を効率化し、人為的なミスの削減に貢献します。
利用シーンとしては、システム開発における設計書のレビューや整合性確認のほか、提案書や見積書といった一般的なビジネス文書の品質チェックも想定されています。同社はまずプロトタイプ版として提供を開始し、利用者からのフィードバックを元に機能を拡充していく方針です。
引用元:PR TIMES

O!Productニュース編集部からのコメント
システム開発における「上流工程の品質管理」は、最も費用対効果の高い改善ポイントとされています。バルテスがAIでドキュメント品質を可視化するアプローチは、従来のテスト中心の品質保証から一歩進んだDXの実践例といえます。


















