
荏原製作所、AIで現場の「暗黙知」を継承する「知識駆動型DXプロジェクト」を始動
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株式会社荏原製作所は、製造現場の熟練技術者が持つ「暗黙知」をAIエージェントで形式知化し、継承・進化させる「知識駆動型DXプロジェクト」を3月16日から本格始動したと発表しました。背景には、労働力人口の減少と技術継承の課題があります。この取り組みは、属人的なノウハウを組織全体の資産に変え、製造業の持続的な競争力強化を目指すものです。
ポイント
- 1東京大学の「デジタルトリプレット」概念を基に、物理・デジタル・知識の3空間を連携
- 2設計思考を可視化する「EBARA開発ナビ」と、自律分散型の「Ebara Brain」を融合
- 3実証実験では、設計プロセスの85%をAIエージェントが形式知化することに成功
背景:熟練技術者の知恵を次世代へ
荏原製作所は、ポンプなどの産業機械で100年以上の歴史を持つメーカーです。製造業全体が、熟練技術者の退職に伴う「暗黙知」の喪失と、若手への技術継承という課題に直面しています。同社は、この課題を技術的に解決することが競争力強化につながると判断し、AIを活用した独自の知識基盤構築に着手しました。
2つのシステムで「知識」を再設計
プロジェクトの核は、2つの独自システムです。1つは「EBARA開発ナビ」。設計・開発の思考プロセスを構造化し、暗黙知を含む知識を段階的に「見える化」するシステムです。もう1つは「Ebara Brain」。社内GPUで安全に動作する自律分散型のAIエージェント基盤です。現場の知恵を抽出する「形式知化エージェント」や、対話で知識の精度を高める「ヒアリングエージェント」など、複数のエージェントで構成されています。
実証実験で有効性を確認
給水設備「給水ユニット」を対象とした概念実証(PoC)では、人が整理した設計プロセスの85%を、形式知化エージェントが生成できました。また、設計諸元間の関係性予測では、生成AIを活用して83%の精度を達成しています。これらの結果は、AIと人間の協働により、属人的なノウハウを組織の資産に転換できる可能性を示しています。
担当者のコメント
荏原製作所の技監、後藤彰氏は「蓄積された知を次の100年へ受け渡すための活動です」と述べ、プロジェクトの意義を強調しました。また、プロジェクトマネージャーの王宇坤氏は「単なるAIツール導入ではなく、知識基盤そのものを再構築し、AIと人が共に進化する新たな『知識経済圏』を創出することが目標です」と、従来のDXとは一線を画す考え方を示しました。
Q&A
Q. 暗黙知とは何ですか?
A. 熟練技術者が長年の経験で得た、マニュアル化されていないノウハウや判断基準です。例えば、機械の異音から故障を予見するような知識を指します。
Q. このプロジェクトは、具体的に何ができるようになるのでしょうか?
A. 設計や開発の思考プロセスをAIが構造化し、属人的なノウハウを組織全体で共有できる形式に変換します。実証実験では、設計プロセスの85%を形式知化することに成功しています。
Q. 「Ebara Brain」は、ChatGPTのようなAIとどう違うのですか?
A. 汎用的な会話ではなく、社内業務に特化した複数のAIエージェントが連携して働く点が特徴です。知識を抽出するエージェントや、対話で精度を高めるエージェントなどが、組織の知識基盤そのものを構築します。
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O!Productニュース編集部からのコメント
設計プロセスの85%をAIが形式知化できた実証結果が興味深いです。属人化しがちなノウハウを、組織の資産として「貯金」できる仕組みは、多くの製造現場でニーズがありそうです。
引用元:PR TIMES
この記事の著者
O!Productニュース編集部
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