
AIが電話応対から実務まで自動化、「くじら電話受付AIエージェント」開発へ
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株式会社九地良は、ホテルや不動産業界などを対象に、AIが電話の自動応答から実務処理までを担う新システム「くじら電話受付AIエージェント」の開発を開始したと発表しました。既存の業務システムと連携できるのが最大の特徴で、人手不足や通信コストといった業界の課題解決を目指します。
ポイント
- 1既存システムと連携し、単なる一次受付でなく実務処理まで自動化
- 2定型的な問い合わせの70%以上をAIが担い、人件費や通話料を削減
- 3ホテルからコインランドリーまで、業界特有のシステムと連携し幅広く活用可能
既存システムとの連携で「実務」まで自動化
株式会社九地良が開発に着手した「くじら電話受付AIエージェント」は、電話対応が欠かせないサービス業向けに開発されたAI自動応答システムです。このシステムの最大の強みは、ホテル管理システム(PMS)や物件管理データベースといった既存の業務システムとAPI連携できる点にあります。これにより、AIがリアルタイムで最新情報を参照し、空室確認や予約変更といった問い合わせに正確に回答するだけでなく、実際の処理までを自動で完結させることが可能になります。
人手不足とコスト削減に直接貢献
ホテルや不動産管理、コインランドリーといった業界では、定型的な問い合わせ対応がスタッフの業務を圧迫し、人手不足の一因となっていました。また、フリーダイヤルでは顧客の待ち時間中も通話料が発生するなど、コスト面での課題も指摘されています。同社によると、このシステムを導入することで、定型的な問い合わせの70%以上をAIに任せることができ、人件費を大幅に削減できるとしています。さらに、AIが一次対応後に担当者から折り返す仕組みにより、不要な待ち時間をなくし、通話料の削減にもつなげます。
多様な業界の現場ニーズに対応
このシステムは、特定の業界に限定されず、幅広い分野での活用が想定されています。例えばホテル業界では、客室からの備品追加リクエストをAIが受け付けスタッフに自動通知したり、コインランドリー業界では、遠隔管理システムと連携してエラー対応やキャッシュレス決済の返金処理までを自動化したりします。不動産管理や美容院などでも、それぞれの予約・管理システムと連携させることで、24時間365日、機会損失を防ぐ体制を構築できるとのことです。
コールセンター業務にも応用可能
さらに、このシステムはコールセンター業務への展開も可能です。AIがオペレーターの空き状況を確認して顧客に折り返し時間を案内したり、オペレーターが電話をかけると同時に顧客情報をPC画面に表示(CTI連携)したりするなど、より高度な業務効率化を実現します。通話内容を自動でCRMに記録する機能もあり、サービス品質の向上にも役立つとしています。
引用元:PR TIMES

O!Productニュース編集部からのコメント
AIによる電話応対サービスは増えていますが、既存システムと連携して「実務処理」まで踏み込む点はユニークです。人手不足が深刻な業界にとって、単なる一次受付の代行ではなく、業務プロセス自体を効率化する一手として期待できそうですね。