
日立、熟練ノウハウをAIで形式知化する品質保証AIエージェントを提供
公開日:
株式会社日立製作所は、製造業の品質保証業務を支援するAIエージェント「品質ナレッジシステム」を、2026年4月より提供開始しました。このAIエージェントは、トラブル発生時の過去事例検索や対応レポート作成を効率化し、熟練者の暗黙知を形式知化することで、経験の浅い担当者でも迅速な判断を可能にします。自社工場での先行導入では、事例検索時間を約9割削減するなどの効果が確認されています。
ポイント
- 1熟練者のノウハウを形式知化し、自然言語で過去事例を高精度に検索可能
- 2自社工場での先行導入で、事例検索時間を約9割、レポート作成時間を8割以上削減
- 3今後は品質状況の多角的分析機能を追加し、不具合抑止策の立案を支援
熟練者の暗黙知をデジタルで再現
本AIエージェントは、品質保証部門が扱う膨大な過去のトラブル対応記録やマニュアルを基に、熟練者がどのようなキーワードや順序で情報を探索し、判断してきたかという業務プロセスを分析します。これにより、これまでベテラン技術者の経験や勘に依存していた暗黙知を形式知化し、担当者の経験値に左右されない迅速かつ的確な判断を可能にします。日立が長年蓄積したドメインナレッジと先進AIを組み合わせ、技能伝承や生産性向上といった製造業の課題解決に貢献します。
自社工場での実証効果
日立は、社会インフラ向け制御システム開発の拠点である大みか事業所において、本AIエージェントを先行導入しました。その結果、トラブル発生時の事例検索時間は1件あたり60分から5分へと約9割削減されました。また、対応レポートの作成時間は120分から15分へ、不具合の原因分析時間は16時間から3時間へと、それぞれ8割以上削減される効果が確認されています。これらの実績をもとに、顧客の業務プロセスに合わせた適用設計と円滑な導入支援を提供します。
3つの業務支援機能
本AIエージェントは、日立のGenerative AIセンターのノウハウを適用し、熟練者100件以上の業務知見を組み込んで構築されました。第一に、自然言語での質問や問い合わせメールから過去事例を高精度に検索できる機能を提供します。第二に、キーワード入力だけで専門的で読みやすいドラフト版のトラブル対応レポートを迅速に作成し、顧客満足度の向上を見込みます。第三に、今後追加予定の機能として、蓄積された品質文書や機能仕様書をAIが多角的に分析し、不具合抑止策の立案や製品品質の向上に貢献します。
製造業の共通課題に応える
製造業では、人材不足や世代交代に加え、製品の高度化・複雑化が進み、品質保証業務における熟練者のノウハウ継承が大きな課題となっています。日立の大みか事業所が扱うエネルギーやモビリティなどのOT領域では、長期稼働するシステムの保守運用情報が膨大に蓄積される一方、トラブル対応は熟練者に依存していました。この課題を解決するため、日立のAIプロフェッショナルと現場の熟練者が連携して本AIエージェントを開発し、その成果を製造業向けに提供することとしました。
今後の展開
日立は本AIエージェントをHMAX Industryのラインアップとして製造業向けに積極展開し、将来的には設計や製造、保守業務にも同様のサービスを拡大する予定です。また、OT領域との連携によるフィジカルAIとしての展開も検討し、現場の知見をモノづくりの上流工程へフィードバックする好循環サイクルの確立をめざします。
Q&A
Q. 品質ナレッジシステムとは何ですか?
A. 製造業の品質保証業務を支援するAIエージェントで、過去のトラブル事例を高精度に検索したり、対応レポートを自動で作成したりできます。
Q. 熟練者のノウハウをどのようにAIに組み込んでいるのですか?
A. 熟練者が情報を探索する際のキーワードや判断プロセスを分析し、その暗黙知を形式知化してAIエージェントに組み込んでいます。
Q. 導入するとどのくらい業務が効率化されますか?
A. 日立の自社工場での実証では、事例検索時間が約9割、レポート作成時間と分析時間がそれぞれ8割以上削減されました。
関連リンク
- 日立、品質保証業務へのAIエージェント適用で、お客さまへの対応力・対応品質を強化:日立
- Lumada
- www.hitachi.com/ja-jp/
- お問い合わせ:製造業・流通業向けソリューション:日立
- https://www.hitachi.co.jp/

O!Productニュース編集部からのコメント
事例検索が60分から5分になるのは大きいですね。品質保証担当の負荷がかなり減りそうです。
引用元:PR TIMES
この記事の著者
O!Productニュース編集部


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