M&Aの成否を分ける「企業文化」をAIが解析。fundbookが新システム「KEPL」を提供
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M&A仲介を手がける株式会社fundbookは、事業や財務データだけでは測れない企業文化や経営者の価値観までを解析し、最適な相手を見つけ出すAIマッチングシステム「KEPL（ケプル）」を2026年1月下旬より提供開始すると発表しました。後継者不足が深刻化する中、M&Aの成功率を高める新たなアプローチとして注目されます。
ポイント
- 1AIが企業文化や経営者の価値観といった「見えない相性」を解析・数値化
- 2全国の企業約10万社の情報から、網羅的かつ客観的に候補を洗い出す
- 3利用を重ねるごとに精度が向上する独自のAIフレームワーク「NIF」を搭載
M&Aのミスマッチを「価値観の解析」で防ぐ
M&A仲介の株式会社fundbookが発表した「KEPL」は、同社が独自に開発したAIフレームワーク「NIF」を活用した新しいM&Aマッチングシステムです。最大の特徴は、従来の事業内容や財務指標といった定量的なデータに加え、企業の歴史や組織風土、経営者の人生観といった「ナラティブ（物語的な）情報」までを解析し、企業間の相性をスコア化する点にあります。
これにより、従来は担当者の経験やネットワークに依存しがちだったマッチングプロセスを、より客観的で透明性の高いものへと進化させます。全国約10万社の企業情報を横断的にスクリーニングするため、これまで出会う機会のなかった思わぬ優良企業との出会いも期待できるでしょう。
AIが「企業の性格」を3段階で深く洞察
このシステムを支えるのが、独自のAIフレームワーク「NIF（Narrative Insight Framework）」です。NIFは、企業の情報を3つの階層で整理・分析します。事業内容などの「表層洞察」、組織文化や経営方針といった「中層洞察」、そして創業動機や経営哲学などの「深層洞察」に分け、それぞれの階層で最適な解析を行うことで、企業の「価値観」を深く理解します。
fundbookが保有する膨大な商談記録や成約・破談履歴などを学習データとしており、今後も商談の音声データなどを活用していく予定です。現場のフィードバックを取り込みながら学習を続けるため、利用を重ねるごとにマッチング精度が向上していく仕組みとなっています。
後継者不足とM&Aの課題が開発の背景に
日本国内では後継者不足が深刻化し、黒字でありながら休廃業を選ぶ企業が増加しています。また、スタートアップの出口戦略としてM&Aが注目される一方で、M&Aの交渉段階や統合プロセス（PMI）において、「企業文化の違い」が大きな壁となるケースが少なくありません。
中小企業庁の調査でも、M&Aが交渉に至らない理由として「情報不足」が、交渉時の課題として「企業文化・組織風土の違い」が上位に挙げられています。KEPLは、こうしたM&Aプロセスの根源的な課題である「見えにくい相性の問題」をテクノロジーで解決し、M&A後の成功率向上を目指すものです。
親会社との連携で地方創生にも貢献
fundbookは、DX支援などを通じて地方創生に取り組む株式会社チェンジホールディングスのグループ企業です。今後は、チェンジHDが持つ自治体や金融機関とのネットワークも活かし、地方企業の事業承継問題の解決や、成長戦略としてのM&A活用を支援していく方針です。
引用元：PR TIMES
O!Productニュース編集部からのコメント
M&Aの成否は数字だけでなく、人と組織の「相性」に大きく左右されます。この定性的な要素をAIで可視化し、マッチング精度を高めようという挑戦は非常に興味深いですね。統合後の成功率向上に繋がるか、今後の展開が楽しみです。
