
AIが詐欺メール訓練を自動最適化、法人向けサービス「サギトレ」が登場
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トビラシステムズ株式会社が、2025年10月29日より法人向けの詐欺メール・SMS訓練サービス「サギトレ」の提供を開始しました。深刻化するフィッシング詐欺被害を背景に、AIが従業員一人ひとりのリスク傾向を分析し、訓練内容を自動で最適化することで、組織全体のセキュリティレベル向上を目指します。
ポイント
- 1AIが訓練結果を分析し、最適な訓練内容やスケジュールを自動で設定
- 2メールだけでなく、社用スマートフォンを狙うSMS詐欺の訓練にも対応
- 3年間約50億件を判定するデータベースを活用し、最新の詐欺手口を反映
AIが分析、継続的な訓練を自動で実施
トビラシステムズが新たに提供を開始した「サギトレ」は、法人におけるセキュリティ教育と対応力向上を目的とした訓練サービスです。従業員は教育コンテンツを視聴した後、実際の業務環境で疑似的な詐欺メールやSMSを受信。その対応結果をAIが分析し、個人や部門ごとのリスク傾向を可視化します。
この分析結果に基づき、AIが各従業員に最適な訓練内容や配信スケジュールを自動でカスタマイズします。これにより、セキュリティ担当者の運用負担を軽減しながら、継続的かつ効果的な訓練の実施が可能になります。
深刻化する法人へのサイバー攻撃が背景に
サービス提供の背景には、法人を狙ったフィッシング詐欺の深刻化があります。警察庁の発表によると、2025年上半期のインターネットバンキングにおける不正送金被害額は42億円を超え、その約9割がフィッシングによるものとされています。特に法人を狙った手口では、1件で約4億円にのぼる高額被害も発生しており、対策は急務となっています。
また、社用スマートフォンの普及に伴い、SMSを悪用したフィッシング詐欺(スミッシング)のリスクも増大しており、メールとSMSの両面からの対策が求められています。
最新手口を反映した実践的な訓練
「サギトレ」の強みは、トビラシステムズが保有する業界トップクラスの迷惑情報データベースです。同社は年間約50億件の電話やSMSなどを判定しており、そのデータベースに蓄積された最新の詐欺手口を訓練用の文面に反映。これにより、日々巧妙化するサイバー犯罪のトレンドに即した、より実践的な訓練を提供できるとしています。
本サービスは社会心理学者の西田公昭氏が監修しており、心理学的な観点からも「だまされないための思考力」を鍛える効果が期待されています。利用料金は初期費用10万円(税抜)、月額費用は1ユーザーあたり1,000円(税抜)です。
引用元:PR TIMES

O!Productニュース編集部からのコメント
巧妙化する詐欺手口に対し、画一的な教育だけでは限界があります。AIが個人の弱点を分析し、訓練を自動で最適化する仕組みは、忙しい担当者にとって心強い味方になりそうですね。組織の「最後の砦」である従業員の意識向上にどれだけ繋がるか、注目したいです。